学資保険でも場合によってはクーリングオフ制度が適用されます。
クーリングオフは特定商取引法で定められているルールで、それを使うためには、一定の条件と手続きをクリアしないといけません。
学資保険も場合によってはクーリングオフ制度を適用することができますが、全ての契約が対象となるわけではありません。
ではどんな場合であれば契約を撤回できるのか見ていきましょう。
クーリングオフとは
国民生活センターのHPではクーリングオフについて次のように説明しています。
「いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度」
つまり、契約者がその内容について疑問や異議があった場合、もう一度考え直すために契約を解除できる制度です。
参考
国民生活センター「クーリングオフとは?」(http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html)
クーリングオフは特定商取引法に定められたルール
契約者がもう一度契約内容について考え直すチャンスが与えられるこの制度ですが、そもそもなぜ納得して契約しないのでしょうか。
実は契約者が納得できずに取引(契約)してしまう現状として、キャッチセールスや訪問販売で、イヤでも契約しなければならない現状に追い込まれることが原因としてあります。
そこで弱い消費者を守るために特定商取引法で細かいルールが定められ、それに該当する契約に関しては、撤回できるようになったんです。
特定商取引法におけるクーリングオフの適用対象とは
クーリングオフができる状況について見ていきましょう。
国民生活センターのHPではクーリングオフができる取引として次のような内容が明記されています。
- 訪問販売(キャッチセールス、アポイントメントセールス等を含む)
- 電話勧誘販売
- 連鎖販売取引
- 特定継続的役務提供(エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービス)
- 業務提供誘引販売取引(内職商法、モニター商法等)
- 訪問購入(業者が消費者の自宅等を訪ねて、商品の買い取りを行うもの)
営業スタイルだけを見ると、どれも一般的に行われている営業活動ですが、その内容が問題です。
何度も電話がかかってきたり毎日のように家にやってくる、さらに脅迫まがいのトークで迫られたりすると、売込みを断れない状況に追い込まれてしまいます。
恐ろしくなってやむ負えず契約してしまった・・・上記の営業ではそんなケースが多いため、対象取引として挙げられているんです。
これらの営業に引っかからないよう気を付ける必要があります。
学資保険でクーリングオフができるケースは?
冒頭でもお伝えしましたが、学資保険はクーリングオフ制度の対象となっています。
いくつかの保険会社のしおり・約款を確認したところ、ほとんどがクーリングオフ制度の説明がありました。
しかしどんな状況ならクーリングオフができるのか、代表的なケースを例に説明しましょう。
断れない状況に追い詰められた時
これは昔の押し売りと同じやり方です。
営業が家に訪問してきた時、学資保険の契約書に印鑑をつくまで帰ってくれないケースです。
契約したくない、と言ってもなんだかんだと理由をつけて、最終的には半分脅迫まがいのトークで、契約しないといけない状況に追い込まれた時です。
そこまでの悪徳ではなくても、あまり納得いっていないのにもかかわらず、契約をすすめられ、断れ切れず契約してしまったという場合はあるのではないでしょうか。
きちんと説明してくれていない時
学資保険も含み保険の契約には様々の約束事が数多くあります。
営業担当は、その一つひとつをきちんと説明する義務があるにも関わらず、書面での説明がなかったり、重要な説明箇所を説明せずにサインを求めてきた時です。
このケースは、消費者の知識がないことをうまく利用した悪質な営業ですので、クーリングオフが適用されます。
執拗に営業してくる時
何度断っても毎日のように家にきたり、電話をかけてくる、もしくは帰ってくるのを家の外で待っている(出待ちも同様)など契約をするまで追いかけてくるケースです。
精神的に参ってしまい、やむなくハンコをついてしまった人もおられる場合があります。
訪問勧誘・電話勧誘に該当し、悪質とみなされるケースは、クーリングオフが適用されます。
学資保険でのクーリングオフの注意点
これらの状況で無理に契約させられたのなら、クーリングオフの手続きをする必要があります。
しかしクーリングオフで契約を撤回するにしても、注意点がありますので確認しておきましょう。
クーリングオフは手続き期間が短い
クーリングオフには手続き期間が定められていて、多くの学資保険は契約から8日間までとしています。
手続き期間を超えてしまうと、契約意志があるとみなされ撤回できなくなります。
契約内容の疑問を感じたら、スグに手続きするようにしてください。
※保険会社によって期間が変わりますので確認するようにしましょう。
窓口に行くか郵送
クーリングオフの手続きは窓口で書面を提出するか、書面を郵便で送ることに限定しているところが多いですね。
手続き期間が8日間しかない中で、郵送は時間を要しますし、窓口に行くにしても平日しか受け付けてくれません。
短い期間での紙ベースの手続きなので、急ぐ必要があります。
医師の診察を受けたらクーリングオフを使えない
保険会社によっては「当社が指定した医師の診察を受けた場合、撤回などの取り扱いができない」と明記しているところがあります。
学資保険のしおりなどに明記されていますので、確認するようにしましょう。
郵送でクーリングオフ手続きを取る場合
クーリングオフの手続きを郵送で行う場合は、最低限、次の項目を記載するようにしましょう。
- 申し込み年月日
- 保険種類名
- 保険金額
- 保険料額
- 契約者氏名
- 被保険者氏名
- 保険証券の記号番号
- 通知年月日
結構たくさんの項目がある・・と思われるかもしれませんが、少しでも早く手続き済ませたい場合は、多くの情報を保険会社に知らせる必要があります。
書類の照合や手続きが早く進むためにも、しっかりと明記して郵送してください。
連絡先としての住所、電話番号なども必ず記載しましょう。
クーリングオフは少しでも早く!
子供のための貯金として活用されている学資保険ですが、親心を逆手にとっての悪質な営業はいまだにあるようです。
実際最近では、かんぽ生命の不正契約が問題となっています。
昔から絶大な信頼をおいていた、かんぽ生命が、そのような強引な勧誘によって不利益な契約をしていたということには、衝撃がはしり、ショックな現状です。
この世の中、まだまだ見えぬところでそのような取引が行われているように思います。
もちろん、悪質な営業ばかりではありません。
誠意をもって接してくれる営業担当の方が多いのも事実です。
なので営業担当としっかり話を進めていくためにも、契約する側も知識を持っておく必要はあります。
お金にまつわることなので、必要とする知識は多いので時間を取られるかもしれませんが、お金のことだからこそ、しっかりと把握することが大切です。
そして、契約する際には、しっかりとその内容を理解し、納得いくまで安易に契約はしてはいけません。
子供の将来を思うなら、キチンとした内容でしっかりした契約を整えるように頑張ってください。
今回は適用されるケースをいくつがご紹介しましたが、基本は、契約者がクーリングオフの手続きをすれば、契約を撤回することはできます。
契約内容に疑問が生じたときは、急ぎクーリングオフの手続きを取るようにしましょう。