学資保険に役立つ知識

学資保険に税金はかかるの?発生する税金と課税額の計算方法

学資保険と税金

学資保険は税金が発生するの?

学資保険は保険金を支払うことにより、お祝い金や満期金として保険金を受け取れます。

しかし保険金を受け取れば、所得が増えるので税金がかかるのではないかと心配かもしれません。

まずは学資保険で受け取るお金の種類は何があり、どんな税金が発生するのか見てみましょう。

 

お祝い金と満期金について

保険会社の学資保険によって違いますが、小学校、中学校、高校と進学するたび一時的に受け取れるのがお祝い金です。

一度に受け取る金額は学資保険によって変わってきます。

お祝金は、自動的に据え置かれることになり、契約者が申し出ると受け取れます。

一時的に受け取れるお祝金は、家計に余裕があり学費を十分にまかなえそうとなれば、据え置いたままで良いです。

据え置くと、各保険会社の規程の利率によって、お祝い金に利息が付与されます。

 

満期金は、契約が満期になると支払われるお金です。

こちらも学資保険のプランによって、満期金の受け取り方は違い、たとえば一括で全額受け取る、他にも大学入学時に一部を受け取り、2回生、3回生と進学するたびに残りの満期金を受け取れるプランもあります。

 

返戻率について

学資保険の返戻率と言われるのは、支払う保険料総額に対して、受け取る保険金総額の割合です。

返戻率100%であれば、支払った保険料総額分を保険金として受け取れます。

さらに返戻率が100%を越えているような商品は、保険料総額分にさらに利息が上乗せされて支払われることになります。

 

逆に返戻率が100%を下回るとなれば、元本割れです。

元本割れすれば、支払った保険料総額分よりも、受け取る保険金は少なくなります。

 

学資保険の税金は、受け取る人物で課税されるか決まる

学資保険には、お祝い金と満期金があるのがわかりました。

気になる税金については、誰が受け取るかでどのように課税されるかどうか決まります。

 

実際にお祝い金や満期金を受け取るのは、子どもかその保護者です。

保護者が受け取るとなれば、それは自分の所得が増えることを意味するので、所得税の対象になります。

一方子どもが受け取るとなれば、親から学資保険を通じてお金をもらったということになるので、贈与の意味合いがあり贈与税の対象です。

 

学資保険に加入すれば、受取人が子どもでも保護者でも税金は発生します。

しかし税金は控除枠があるので、受け取る金額によっては税金免除となる場合もあります。

 

学資保険の受け取りに税金がかかるケ-ス

学資保険では、お祝い金や満期金を受け取れますが、以下の3つのケ-スにおいて税金が発生します。

ただし発生した税金に対して控除が使える場合もあるので、課税されずに済むかもしれません。

 

年間に50万円以上の利益があったとき

学資保険に加入すると、お祝い金や満期金としてお金を受け取れます。

もしも保護者が受け取るとなれば、税金が発生する場合もあります。

 

それはその年に50万円以上お祝い金や満期金を受け取った場合です。

ただし利益として50万円以上あるのかどうか考えます。

支払う保険料は支出となり、お祝い金や満期金である受け取る保険金は収入です。

この支出と収入の差額を見て、収入が50万円以上あれば所得税が発生します。

 

学資保険で得た収入は一時所得とみなされます。

一時所得には特別控除枠が50万円まであり、その年に学資保険で得た収入が50万円以内であれば、所得税は発生しません。

 

また、学資保険を解約したときの解約払戻金も課税の対象となり、同様に一時所得とみなされます。

解約払戻金も、支払った保険料よりも50万円以上多いと税金がかかります。

 

学資年金を受け取ったとき

学資保険は、学資年金という形でも保険金を受け取れます。

通常は満期金やお祝い金として受け取りますが、その給付金を毎年分割で受け取るのが学資年金です。

たとえば、大学4年の間に毎年同じ時期に受け取るような方法です。

 

学資保険で給付金を受け取れば、一時所得として扱われます。

しかしこれが学資年金という形で保護者が受け取ると、雑所得として課税されます。

個人年金保険などと同じく雑所得としての扱いになるのです。

このように受け取り方を変えると、一時所得から雑所得になるので、注意してください。

 

保険料を支払った人以外が年間110万円以上を受け取ったとき

受け取る人物が保護者ではなく、その子どもになると贈与税が発生します。

保険料を支払うのが保護者であり、保険金を受け取るのが子どもであれば、学資保険を通じ保護者から子どもに贈与したと見なされるのです。

保護者が子どものために生活費を出しても税金は発生しませんが、学資保険というツ-ルを通じると贈与税が発生するので注意が必要です。

 

1年間に贈与された金額でいくらの税金になるか決まりますが、贈与税には110万円の基礎控除があるので、1年間に110万円以上贈与を受けた場合に税金が発生します。

学資保険を解約し、解約払戻金を保険料支払者である人物以外が受け取ると、このお金も贈与税の対象です。

通常の贈与税と同じく、1年間に110万円以上受け取ったかどうかが、課税されるかどうかの境目です。

 

学資保険にかかる税金

学資保険はどのようにして誰が受け取るかで、税金の種類が変わります。

学資保険では、所得税、雑所得、贈与税となるケ-スがあるので、それぞれで実際にいくら課税されるのか、具体例をご紹介します。

 

所得税として課税される場合

受取人が保護者であり、その年に満期金や一時金で50万円以上の利益となれば、一時所得となり所得税がかかります。

ただしこれは利益として考えるので、保護者が支払った保険料よりも受け取る保険金が50万以上多い場合です。

 

一時所得は労務や役務の対価、資産譲渡の対価以外で受け取るお金のことです。

利子や配当、給与や譲渡所得以外のお金であり、まさに一時的に受け取った所得と言えます。

具体的には、競馬やカジノでの払戻金、法人からの贈与品、そして生命保険の保険金が含まれます。

つまり学資保険で発生する利益も一時所得です。

 

一時所得には、特別控除があり年間50万円までは控除対象です。

一時所得として利益となるお金が50万円以内であれば、特別控除の対象となり課税されません。

 

保険の返還率で言えば、150%を越えないと課税対象とはなりません。

たとえば加入する学資保険の返還率が151%であるとします。

保険料総額が100万円なら受け取る保険金は151万円となり、差額50万円を越えた1万円分に所得税がかかります。

 

一時所得の計算方法

一時所得と発生する税金の計算方法は、以下の通りです。

総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 50万円(特別控除) = 一時所得

一時所得×1/2 = 支払う税金

このような計算方法になっているために、一時所得がマイナスであれば税金は発生しません。

いくつか具体例で支払う税金はいくらになるか見てみましょう。

 

税金がマイナスの場合

下記のような学資保険に加入し、毎月保険料を支払い、満期金を受け取った場合、支払う税金は以下の通りです。

  • 1ヶ月の保険料 : 20,000円
  • 満期金 : 450万円
  • 支払期間 : 18年間
  • 支払う保険料総額 : 20,000円×12ヶ月×18年 = 432万円
  • 発生する税金 : 450万円 - 432万円 - 50万円×1/2 = -16万円

税金がマイナスになるために課税されません。

 

税金がプラスの場合

下記のような学資保険に加入し毎月保険料を支払い、満期金を受け取った場合、支払う税金は以下の通りです。

  • 1ヶ月の保険料 : 20,000円
  • 学資保険受け取り総額 500万円
  • 支払期間 : 18年間
  • 支払う保険料総額 : 20,000円×12ヶ月×18年=432万円
  • 発生する税金 : 500万円 - 432万円 - 50万円×1/2 = 9万円

税金がプラスとなり、9万円が所得税として発生します。

ただし、会社員やOLなど給与を1か所から受けている人であり、年末調整をしており、給与所得と退職金所得以外の各種の所得額合計が20万円以下の人は、確定申告の必要はありません。

これは所得税に関してなので、住民税の方は申告しないとなりません。

 

雑所得として課税される場合

学資保険は学資年金としても受け取り可能であり、これも加入して保険料を支払っている保護者の収入とはなりますが、一時所得ではなく雑所得となります。

雑所得は、給与所得、退職所得、一時所得、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得以外の所得です。

例えば、国民年金などの公的年金、印税や講演料、そして学資年金で受け取るお金が該当します。

個人年金などの年金としての扱いなのです。

学資年金を受け取れば、雑所得になるのはもちろん、税金の計算方法も一時所得とは違います。

 

雑所得の計算方法

雑所得と発生する税金の計算方法は、以下の通りです。

やや一時所得のときよりは、計算が複雑です。

受け取った1回の学資年金 - (受け取った1回の学資年金×支払った保険料総額 / 学資年金総支給額) = 雑所得

 

税金がマイナスの場合

下記のような学資保険に加入し毎月保険料を支払い、学資年金を受け取った場合、支払う税金は以下の通りです。

  • 1ヶ月の保険料 : 20,000円
  • 学資年金 : 84万円を5回 (総額420万円)
  • 支払期間 : 18年間
  • 支払う保険料総額 : 20,000円×12ヶ月×18年=432万円
  • 発生する税金 : 84万円 - (84万円×432万円/420万円) = -24,000円

発生する税金がマイナスになるために課税されません。

 

税金がプラスの場合

下記のような学資保険に加入し毎月保険料を支払い、学資年金を受け取った場合、支払う税金は以下の通りです。。

  • 1ヶ月の保険料 : 20,000円
  • 学資年金 :90万円を5回 (総額450万円)
  • 支払期間 : 18年間
  • 支払う保険料総額 : 20,000円×12ヶ月×18年 = 432万円
  • 発生する税金 : 90万円 - (90万円×432万円/450万円) = 36,000円

税金の計算額が36,000円となり、税金が発生します。

ここで注意して欲しいのは、支払う保険料と支払期間、受け取る保険金総額が同じでも、満期金で450万円受け取れば税金は発生しませんが、学資年金として450万円を分割で受け取ると税金が発生する点です。

一時所得よりも利益の要素が大きくなっており、税金が発生しやすいです。

雑所得になれば、学資年金で受け取る金額が少なくても、税金が発生しやすく課税対象なる可能性が高いです。

 

しかし学資年金で発生する税金についても、一時所得と同じ条件で、会社員やOLなど1カ所から給与をもらい、年末調整をしていれば、雑所得でも年間20万円以下であれば、確定申告の必要はありません。

 

贈与税として課税される場合

学資保険は、保護者以外にも子どもも受け取り可能です。

子どもが大学進学するときなどに、満期金を受け取れます。

保護者である父母が保険料を支払い、子どもが受取人となるので、子どもにとっては利益ではなく、親からの贈与という形になります。

これはたとえば、父親が保険料を支払い母親が受け取っても同じであり、つまり保険料を支払う人物と受取人が違うと贈与とみなされます。

 

通常親が子どもの生活費を工面しても税金は発生しませんが、学資保険の満期金となると贈与になり贈与税が発生します。

自分が保険料を負担せず、保険金を受け取れば贈与です。

贈与税は控除枠が年間110万円ありますが、受取人が子どもならば、年齢が20歳未満か20歳以上かで税率と控除額が変化します。

 

子どもが20歳未満の場合

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%0万円
300万円以下15%10万円
400万円以下2%25万円
600万円以下30%65万円
1000万円以下40%125万円
1500万円以下45%175万円
3000万円以下50%250万円
3000万円以下55%400万円

子どもが20歳以上の場合

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%0万円
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1000万円以下30%90万円
1500万円以下40%190万円
3000万円以下45%265万円
4500万円以下50%415万円
4500万円以下55%640万円

20歳が税率や控除額が変化する境目ですが、何歳でも200万円以下であれば税率も控除額も変わりません。

子どもが20歳以上であれば、贈与額が多いほど控除額も多くなります。

 

贈与税の計算方法

贈与税の計算方法は以下の通りであり、一時所得や雑所得での税金より計算方法は簡単です。

(受け取った学資年金-110万円)×税率 - 控除額 = 贈与税

 

子どもが20歳未満で贈与を受け取った場合

下記のような学資保険に加入し毎月保険料を支払い、子どもが18歳の時に満期金を受けとった場合支払う税金は以下の通りです。

  • 1ヶ月分の保険料:10,000円
  • 学資保険受取総額:250万円
  • (250万円 - 110万円)×15% - 10万 = 11万円

 

子どもが20歳以上で贈与を受け取った場合

下記のような学資保険に加入し毎月保険料を支払い、子どもが20歳の時に満期金を受けとった場合、支払う税金は以下の通りです。

  • 1ヶ月分の保険料:20,000円
  • 学資保険受取総額:500万円
  • (500万円 - 110万円)×20% - 30万 = 48万円

贈与税は子どもが何歳でお金を受け取ったとしても、受取人本人が保険料を支払ってはいないので、保険料総額は考慮しません。

 

学資保険で税金をおさえるために

受取額を500万円程度におさえる

一時所得として保護者の方が満期金を受け取るならば、年間50万円までの特別控除があります。

保険料と保険金の差額を50万円までにして、利益を50万円以内にすれば、課税されません。

 

学資保険の返還率を高めに見積もって110%とすれば、50万円の利益が出るのは、満期金の受け取り金額が550万円のときです。

実際の学資保険では、返還率は高くても104%程度です。

そのために受け取り金額を500万円以内にしておけば、税金は発生しないでしょう。

 

学資年金は避ける、または200万円以内におさえる

学資年金は雑所得となり、一時所得よりも税金は発生しやすいです。

大学在学時にもらえば、授業料などとなり便利ですが税金が発生すれば、確定申告しないとならず手間がかかります。

税金を考えるなら、学資年金は避けた方が無難です。

 

会社員や公務員の方で収入は勤め先からのみとなれば、給与所得以外の収入が年間20万円以内だと確定申告不要です。

学資年金でも雑所得が20万円以内にすれば良く、たとえば返還率110%ならば学資年金は200万円以内だと課税されません。

ただし個人事業主などの方なら、雑所得が20万円以内でも確定申告は必要です。

 

贈与額を年110万円以内におさえる

学資保険の保険料を支払っている人以外が保険金を受け取れば、贈与税が発生します。

もしも贈与税で節税を考えるなら、基礎控除が年間110万円まであるので、受取金額を110万円以内にすれば課税されません。

贈与税は税率が高いので、通常は避けた方が良いです。

ただ他の贈与があればそれも一緒に考えるので、祖父母などからの贈与がないか確かめてください。

 

相続税は高い

一時所得や雑所得での所得税と比べると、贈与税は同じぐらいの金額を受け取ったとしても、発生する税金は高いです。

少し受け取る金額が多くなるだけで、数十万円も上乗せされて課税されます。

贈与税がなぜ高いのかは、これは相続税との関係があります。

 

国は多くのお金を持っている人から、税金を出来るだけ取ろうとします。

その1つが相続であり、財産を相続させたときには相続税が発生します。

ただお金を持っているような資産家も、みすみす相続税を払おうとはせず、何かしら対策を考えることでしょう。

その1つが贈与です。

相続させずに、贈与として渡せば相続税は逃れられるだろうと考えるのは当たり前です。

 

ただ贈与税という制度もありますが、相続税より課税率が安いと、みんな贈与するに決まっています。

そこで贈与という抜け道をふさぐために、自然と相続税よりも課税される金額は多くなるよう決められているのです。

 

学資保険の税金控除の申告方法

学資保険が所得になるならば、確定申告をする必要がでてきます。

基本控除や特別控除などありますが、学資保険は生命保険の1種なので、生命保険控除も使えます。

生命保険控除を使うなら、自営業や個人事業主の方は自分で確定申告を、会社員の方は年末調整で申告します。

生命保険控除によって、所得税と住民税が軽減されます。

 

確定申告と年末調整での生命保険控除

基本控除や特別控除は、発生する所得に関係なく控除額の上限は決まっています。

しかし生命保険控除は支払った保険料の総額により、いくらまで控除できるか変化します。

生命保険控除を受けるには「生命保険料控除証明書」が必要であり、これは10月~12月の間に、加入している保険会社から郵送されます。

そのために、自宅に届いたら捨てずに保管しておいてください。

 

会社員であれば、年末調整の書類に生命保険料控除証明書を添付し提出します。

自営業や個人事業主の方は、確定申告書に生命保険料控除証明書を添付し提出します。

もしも生命保険控除証明書を紛失したなら、契約している保険会社に言って再発行してもらってください。

 

保険料によって違う

学資保険の生命保険控除は、平成22年の税制改正によって、保険の契約時期に取り扱いが違います。

平成23年12月31日以前に契約した方は旧契約、平成24年1月1日以降に契約した方は新契約の方式で控除額を計算します。

生命保険料には、一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料があります。

支払った保険料は何に該当するか考える必要はなく、控除証明書に書いてある種類が、その保険料の種類です。

介護医療保険料での控除は、新契約にのみ適用されます。

 

年間の支払い保険料によって控除額が違い、これは1年間支払った保険料から、一時金などを差し引いた金額です。

もしも他の生命保険にも加入しているならば、それらも合計して支払った保険料がいくらになるか計算してください。

 

新契約の方
20,000円以下合計額の全額
20,001~40,000円合計額×0.5+10,000円
40,001~80,000円合計額×0.25+20,000円
80,001円以上 一律40,000円
旧契約の方
20,000円以下合計額の全額
20,001~50,000円合計額×0.5+12,500円
40,001~100,000円合計額×0.25+25,000円
100,001円以上一律50,000円

もしも新旧両方で保険契約をしているとなれば、両方それぞれで計算して金額を算出します。

そして新旧の金額を足します。新旧合計の最高控除額は40,000円までです。

 

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