学資保険を選ぶときに、学資保険のおすすめや、比較のランキングを参考にする人は多いと思います。
学資保険のランキングで特に目立つのは返戻率でのランキング。
たくさんのサイトがいろいろな商品を比較、ランク付けしています。
返戻率は%での表記なので、これから学資保険選びをしたいと思っている人には「効率的にたくさん貯蓄できる」とのイメージがしやすいかもしれません。
しかし、学資保険は銀行の積立預金のように、月々お金を預けて貯めて、それに金利がプラスされて・・という簡単な仕組みではないこと、理解しておかないといけません。
銀行と保険、同じ金融でもお金を扱う根本が異なっています。
学資保険で教育資金を貯めようと考えるのであれば、保険の仕組みを理解し自分の生活状況にあったものを選んでいくことが本当に重要なんです。
どのようにすれば保険選びに失敗しないのか、どうすれば自分の生活に合った商品が選べるのかを、ランキング情報の活用方法も含めてお伝えしていきます。
保険のベースは「相互扶助」の精神から
「保険」と呼ばれる商品には、医療保険にがん保険などの生命保険と呼ばれるものもあれば、火災保険や地震保険のような損害保険もあります。
多くの人が安心を得るために加入していますが、そもそも保険ってどんな仕組みになっているのか、ご存じでしょうか。
保険という制度、実は相互扶助の考え方をベースに、いろんなルールや規制が組まれたものなんです。
ある生命保険のHPでは、
「保険とは大勢の人で公平に保険料を負担しあい、その中からのもしもの時に、保険金や給付金(以下、「保険金等」といいます)を支払うことを約束したものです。」
との表記があります。
これが銀行とは全く異なる点です。
銀行の積立預金にはない学資保険の返戻率や祝金も、大勢の人が公平に保険料を負担し合っているからこそできた仕組みなんです。
相互扶助をベースとして仕組みやルールは、メリットもあればデメリットもあるので、それも含めて学資保険を比較していくようにしてください。
生活状況にあった学資保険を選ぶ理由
ランキングサイトや学資保険にまつわるサイトでは「学資保険を選ぶにあたっては家庭の状況にあったものを選びましょう」との表現をよく見かけます。
なぜ学資保険を選ぶときに生活状況を考えないといけないのか、それは毎月決まった保険料を長期にわたって払い続けないといけないからです。
夫婦二人の時には少なかった出費でも、子供が生まれ成長してくると支出額はどんどん増していきます。
保険加入当初は保険料が払えたとしても、子供の成長とともにその後の支払いが家計に大きく影響することは間違いありません。
出費を減らすために学資保険を解約した・・・そんな人のコメントもたくさん見かけます。
教育資金を貯めるために家計に負担をかけるのは本末転倒。
だからこそ、自分の生活スタイルをしっかり確認し、先々の生活設計を立て、自分たちの生活状況にあった学資保険を選ぶことが肝要なんです。
生活設計(ライフプラン)はどうやって考えるの?
ライフプランを考えるとなると、ファイナンシャルプランの領域になってしまって、「難しい」「面倒」「手間がかかる」と、どうしても引いてしまいがちになります。
しかし、ザックリとでも将来の収入や支出が見えれば、学資保険の選択に大いに役立ちます。
そこでおすすめなのが、日本FP協会が提供しているキャッシュフロー表です。
日本FP協会のホームページでは「将来の収支が予想できる家計のキャッシュフロー表」がダウンロードできるようになっています。
この表には教育費の項目も入っているので、どれだけの教育費用がどのタイミングで必要かの設計もしやすくなっています。
書き方見本も参考に、一度試してみてください。
学資保険の特徴を把握する
生活設計を立てることと並行して、学資保険そのものの特徴やプラン内容をしっかり理解することも重要です。
どんな種類があるのか、各プランの内容やルールはどうなっているのか、どんな保障があり、どんなメリットやデメリットがあるのか、などチェックしていきましょう。
生活設計が立てられたら、ランキングを活用
生活設計から教育資金がどのタイミングでどれだけ必要になるかは、おおむね分かってきます。
次は必要な教育資金をどうやって効率的に貯めていくかの手段や方法選びの段階に移りましょう。
学資保険をつかうなら、まず返戻率は外せないポイント。
しかし家庭によっては、月々の保険料の支払額はこの金額まで・・とか、〇歳のタイミングで満期保険金が必要・・という条件も生活設計から浮かび上がってきているはず。
そこをどうクリアするかをランキング情報で見極めればいいんです。
返戻率単体で見るのではなく、保険料払込期間、保険受取時期、保険期間、も絡めて返戻率を確認して、生活設計の条件に近いものをまずはチョイスしていきましょう。
選択条件が複数ある場合はどうするか
先ほど、「保険料の支払額はこの金額まで・・とか、〇歳のタイミングで満期保険金が必要・・という条件も生活設計から浮かび上がる」とお伝えしました。
しかし、家庭によっては選択条件が複数にわたる場合もあるはずです。
その時はどうすればいいのか、具体的に見ていきましょう。
それぞれの条件に該当するランキングをチェック
まず複数の条件に優先順位を付けることをおススメします。
何が重要かによってチョイスするものが変わってくるからです。
- 保険金は大学入学時に一度に受取りたい
- 保険金額は〇円必要
- 保険料は〇円まで
という感じです。
あとはその条件に該当するランキングをチェックしてみてください。
保険金は大学入学時に一度に受取りたい
保険金額は〇円必要・保険料は〇円まで
返戻率は100%以上
上位複数の商品名を表にまとめるのがコツ
条件でチェックができれば上位複数をチョイスして表にまとめてみましょう。
今回は次の条件で調べた場合を例に表にまとめてみました。
- 返戻率は100%以上(必須)
- 保険金額は200万円以上
- 保険料は1万円まで
- 保険金は大学入学時に受取る
返戻率100%越え必須
保険金は200万円以上 | 保険金は大学入学時に一度に受取りたい | 保険料は1万円まで | |
1 | 学資金準備スクエア無配当Ⅱ型 (200万円) | 学資金準備スクエア無配当Ⅱ型 | 学資金準備スクエア無配当Ⅱ型 (約7,000~8,000円台) |
2 | みらいのつばさジャンプ (200万円) | みらいのつばさジャンプ ※大学入学時期と満期時期に分けて受取 | 学資金準備スクエア無配当Ⅲ型 (約9,000円台) |
3 | 学資金準備スクエア無配当Ⅲ型 (200万円) | みらいのつばさジャンプ (9,614円) | |
4 | つみたて学資無配当こども保険 (200万円) | ニッセイ学資保険子供祝金なし型 (9,555円) | |
5 | ニッセイ学資保険子供祝金なし型 (210万円) | ||
5 | みらいのつばさステップ (210万円) |
表からわかるように、条件に合った学資保険が1つ見つけられました。
この場合、大学入学時に保険金を受け取れる商品は2つありましたが、「みらいのつばさジャンプ」は2回に分けての受け取りなので、条件から外れます。
また保険料は「学資金準備スクエア」の方が若干低く抑えられることも確認できますよね。
このように表にまとめていけば、条件が重なり合っても客観的に判断できるんです。
条件数がもっと多くあったとしても、一目で比較することができるのでお試しください。
ランキングから学資保険をチョイスできれば専門家に相談
ランキングを使って、加入先が絞り込めたら専門家に相談してみましょう。
これまでお伝えした手順は、あくまで自分で分析するためのものです。
ファイナンシャルプイランナーなどの専門家に相談し、細かい点についても確認してください。
そうすることで先々のリスクが回避でき、学資保険選びに失敗する確率も低くなります。
保険代理店の相談員も知識を持った人が多いので、その方に相談してみてもいいでしょうね。
ランキングの活用方法、そして比較の仕方、参考になりましたでしょうか。
この手順で考えていけば、教育資金だけなく、子供のためにどのような蓄えができるかにも活用できるのではないでしょうか。
お子さんが多ければ学資金も多く必要になってきます。
教育費用が増加する時代だからこそ、しっかりと生活設計をたててみてください。